松本克のブログ

国立高校の甲子園出場に関する記事でこのブログに巡り会ったので、その辺りのことが中心になるかな・・・

『頭の体操』とか『いじわるクイズ』とかの類の問題かな…

『新聞調査』というtwitterが「皆さん、当ててみて!」と投稿していた画面をコピーしてみました。
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 本文6行目まで息子とパパの台詞の遣り取りが3往復有り、


 その後の7行目のト書きの後半、3文字目がどうやっても ❝回房❞ (問)に見えるのですが、それだと私がうまく訳せないので、❝回房❞(間。“房间”=「部屋」)に直すと、
後に続く訳のようになります:


【ト書き】息子は、片付けのため部屋に戻ると、お手伝いさんを見つけた。


お手伝い:どうしたの?
 息子 :お前は誰だ? パパは、お手伝いさんなんて雇ったことがないと言ってるぞ。
お手伝い(呆然として):あなたのお父さんが亡くなってから、もう4年になるじゃない。
今度は、息子が呆然となり、意識を失い倒れ込んだ。途中、花瓶にぶつかり落して壊した。


外を通り掛った通行人:この家は空き家になって5年になるのに、どうして人の声がするのだろう?


 以上、四人の中の一人が幽霊なのだが、それは誰でしょう?
A息子 Bお手伝いさん C通行人 Dパパ
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 もしも、問題が、言葉の使い方に関係が有るとすると、次の部分あたりかもしれません:
本文4行目パパの台詞を、苦し紛れに「おい、しっかりしろよ。」と訳しましたが、
原文は ❝儿子,快跑❞ で、「息子よ、速く行け/走れ」という言い方で、
何故ここに ❝跑❞ が出て来るのか、実は、わかりません。


 しっかりしなければいけないのは、私の学習のほうなようで、なんともいやはや…

翻訳や通訳が、逆に誤解を生んでは話にならないので…

これまで学んできたことをまとめながら、「これは…」と思う問題を、ホームページで少しずつ採り上げていくことにしました。
 今日も、要注意の問題を発見したので、少し文字数が多くなってもいいようにと思い、ブログに書くことにしました。


 日本語でも中国語でも、基本的な意味の単位となることが多いのが漢字二文字の熟語の「名詞」です。
 日本では、漢字の導入後、漢字からひらがなやカタカナを発明しましたが、漢字そのものに対しては、訓読みを付け加える以外、大きな加工はしていないので、若干ニュアンスの違いは生じたとしても、漢字の熟語の大まかな語義は、ほとんどの場合、今もずっと共有できていると思います。


 ただ、人間のすることですから、そういう訳にいかない場合も、もちろん、有ります。
 その恐らく最も有名な例が、
【漢語】 ❝汽車❞ =【日本語】「自動車」
【日本語】「汽車」=【漢語】  ❝火車❞
という組み合わせかと思いますが、
今後のことを考えると、遠くない将来、後者の指す蒸気機関車は無くなってしまうであろうと思われ、今更そんなに強く意識する必要は無いのかなと思っています。


 しかし、今日発見したのは、将来無くなるどころか、もっと頻繁に出て来る可能性も有る言葉なので、とにかく一度採り上げておこうと思います。


 それは、日本語の「偽薬(ぎやく)」です。
 新薬開発の際、薬の効果を判定するため、新薬に似せて作ってはあるが、実はその成分を含んでいない、本物との比較対象用の、新薬まがいの『偽薬(にせぐすり)』とでも言うべきものです。
 世界中の製薬業界が使うこの種のニセ薬は、
英語で ❝placebo❞、日本でも「プラシーボ」というカタカナ語も半ば市民権を得ているようです。 


 そして、中国語は
繁体字: ❝安慰劑(ㄢ ㄨㄟ4 ㄐㄧ4)❞
簡体字:❝安慰剂(ān wèi jì)❞ です。


 漢語の世界では、❝伪币(偽札)❞、❝伪书(偽書)❞、❝伪证(偽証)❞ 等の単語が実在する上、❝安慰劑❞ という専門用語もできているわけですから、「ぎやく・placebo・プラシーボ」の意味の場合、たとえ ❝安慰劑❞ という語を思い出せなくても、「偽薬」の二文字の無神経な直訳だけは何が何でも避けたいものと考えます…


 私のホームページではトップ・ページの左上のコーナーで、最近、この類の話題を採り上げ始めました。そのうちには…面白くなってくるかも…しれません:

【標題】中國太空人成功將地心引力帶上太空

【見出し】中国の宇宙飛行士は、地球の重力を宇宙に持って行くのに成功した


 最初、どういう風に語が切れるのかわからなかったので、採り上げてみました…


中國 :中国の
太空人:宇宙飛行士(は)
成功(將地心引力帶上太空):(〇〇)に成功する/した。


 “將” は、“喝酒” のように、通常、“喝(飲む)+酒(を)”(動詞+目的語)の順であるべき目的語を、語順を入れ換えて動詞の前に持って来る助詞なので、
將(目的語)[動詞/動詞句]の順で:(目的語)を[動詞/動詞句]する の意となる。


將(地心引力)[帶上太空]:(地心引力)を[帶上太空]する の目的語と動詞の訳は;
(地心 引力)      :地球の中心 引力   ➡ (地球の引力/重力)を
[帶上 太空]      :持って上がる 宇宙へ ➡[宇宙へ持って上がる](する)
となり、
中国の宇宙飛行士は、地球の重力を宇宙に持って行くのに成功した」が出来上がった。


 最初、どういう風に語が切れるのかわからなかった理由は、ひとえに、 “地心” という語が初めて見た語だったからです。
 “中國太空人 成功將地心引力 帶上太空” と3つの固まりに分けた時、真ん中の固まりがうまく因数分解ができなかったというわけです…


 下の画像で、右側二人の男性宇宙飛行士の不自然な体勢が何を意味しているのかはわかりませんが、画像の真ん中の少し右、円で囲まれているのは恐らく飲料のペットボトルで、重力が有るので中味がちゃんと下側に溜まっている、ということを見せているのだと思います。


 宇宙船内の光景として、人間や物が空中を浮遊している無重力状態を見ることが多いような気はしますが、こういう風に普通に立っている姿って今まであまり見ませんでしたっけ?