【中国語】“菠蘿” と “鳳梨”、同じ「パイナップル」と言っても物が違う…
前回の「ネーブルオレンジ」の話の時、『中国語図解辞典』のコピーを紹介しましたが、ちょうどそのネーブルの隣に、今日話題にしようと思う「パイナップル」も載っていました…
外国語学習者が困るのは、こういう時の「〇〇とも言う」という辞書の説明だ。
全く同じものを指していると理解して良いものかどうか?
日本語の場合、「とうもろこし」と「とうきび」は物としては全く同じ物であり、その違いは、地方によってどちらがより一般的な言い方か、ということだろうと思う。
また、私の親の世代には「かぼちゃ(南瓜)」を「なんきん」と呼ぶ人たちが居たように、年代的に使う語にズレが有る場合もあるが、いずれにしろ、同じ物を指してくれているのであれば、比較的安心だ。
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ところが、“菠蘿” と “鳳梨” の場合、明らかに指している物が違うということが、youtube上の複数の投稿でわかった。
植物学的には同じ種に属すということは、皆が共通して言うのだが、同じ「梨」である『長十郎』と『豊水』のような品種の違いかと言えば、それでは、“菠蘿” と “鳳梨” をまとめて「パイナップル」全体を指す語は? ということになる…
要は、葉に鋸状のとげが有ってやや酸っぱく、食べる前に塩水に漬ける場合が多いらしいどちらかと言うと野性的なのが “菠蘿” で、“鳳梨” のほうは葉にとげは無くあまり手間を掛けずにすぐ食べられるが、値段はその分やや高い、というようなことになるらしい。
中共ゴロツキ外交の嫌がらせを受けたことで注目を浴びるようになったということなのか、今、Youtube上にはパイナップルを題材にした映像がかなりの数アップロードされている。
そして、そのほとんどが必ずと言っていい程 “菠蘿” と “鳳梨” の違いについて採り上げているのである。
皆が『常識』と思っているなら、こんなにも大勢の人がその件についてアップロードすることもないだろうから、今、皆が皆そのことについて触れるということは、中国語圏でもあるいは違いをハッキリ意識している人が少ない、ということかもしれない。
それとも、産地としては、台湾産のパイナップルの場合、“鳳梨” が多いらしいので、これを機に一気に “鳳梨” を売り込もうかという戦略かもしれないのだが・・・
【追伸】
以前、ムラゴンブログの社長・村内氏のブログに台湾名物のパイナップル・ケーキ “鳳梨酥” の記事が有りました:
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