松本克のブログ

国立高校の甲子園出場に関する記事でこのブログに巡り会ったので、その辺りのことが中心になるかな・・・

中共の「零(ゼロ)コロナ対策」は『病膏肓に入りました』…


 国によってはマスクの義務化を終止したり、旅行解禁のタイミングを計る動きが出て来たり、ウイルスが、重症の危険性が少なく無症状であることも多いオミクロン株への変異が主流となった時点で、「ゼロコロナ政策」というのは現実的でなく、感染の抑え込みと経済活動の復活という二つのバランスを取りながら進む「withコロナ政策」で軟着陸を図るのが賢明な選択であろうというのが、おそらく最新の世界の共通認識であろう・・・


 やわな西洋民主主義国家にはできないであろう、と断固として「ゼロコロナ政策」を推し進めてきたあの中国共産党も、上海で感染の抑え込みに苦戦し、自殺者が出る、封鎖された住民が暴れる、国際貨物が滞留する等の問題が重大化してきたこともあるのか、4月29日の政治局会議(トップ約25名の月例会合)では、極端な都市封鎖等の強硬路線は放棄し、柔軟路線に切り替えることに決まったそうです。


 ところが、ところが、あろうことか、一度は政治局の会議で決まったその方針が、それでは自分のメンツが丸潰れだと考える習近平により、翌週、5月5日の政治局常務委員会(最高幹部7名。いわゆる中国共産党の「トップ・セブン」)でまた引っ繰り返されたという。


 石平氏の考える票割は、最悪でも以下の4対3で逆転を成し遂げたのであろうとのこと:
習近平 〇習推し
李克強 ×
栗戦書 〇習推し
汪洋  ×
王滬寧 〇習推し
趙楽際 〇習推し
韓正  ×


 以上の習近平の逆転劇は「政治」上の勝負なので、第三者には何ともわかり難い部分が有るのですが、それだからこそ余計に興味が増すということも有りますね。
 石平さんも男の子だから、下位の者が上位の者を打ち負かすとか、小さい体で大きい相手を投げ飛ばすとか、武道や格闘技の極意のようなことにも当然興味が有ると思います。
 また、通常は歴史関係の話にしか出て来ない「下剋上/下克上(げこくじょう)」という言葉は、単なる勝ち負けとは違う一種の人間ドラマみたいな要素を含んでいるので、石平さんはそういう面白さも盛り込もうとしたように思います。


 しかし、習近平の今回の逆転劇は、下位の会議の決定を最高位の会議が引っ繰り返したということで、地位の関係から言うと、真っ当な順序だから、「下克上」には当たりません。
 ただ、共産党組織ということを考えると、上から二番目の会議の決定を一番上の会議で引っ繰り返すというのは「大事件」だから、何とかこれを「事件」に仕立て上げたいと思い、漢字の国の教養を活かし『上剋下/上克下』=「じょうこくげ」という言葉の創作を思い付いたのでしょう。
 結果的には、映像では舌が回らず残念でしたが、「じょうこくげ」は昔からの日本人にも発音は難しく、ちょっと試みに無理が有ったかもしれません。


 等等の経緯が有り、今や「ゼロコロナ政策」は中国共産党が「死守する」対象になったようなのです。
 こうなっては、憲法学者だろうが、拳法上級者であろうが、何を言っても駄目だということでしょうね…