松本克のブログ

国立高校の甲子園出場に関する記事でこのブログに巡り会ったので、その辺りのことが中心になるかな・・・

台風12号は「イルカ」?って、「要らないよ!」

 日本では台風はもっぱら数字で「1号」、「2号」…と呼んでいますが、昨年も採り上げたことがあるように、海外では女性の名前や花の名前等で呼ぶ習慣が有ります。


(前回2019年10月12日:「海貝思(Hagibis)」は如何ですか? 大丈夫ですか?
http://tmatsumoto.muragon.com/entry/184.html )


 さて、関東直撃は無くなったらしい12号ですが、海外での呼び名は、香港提出の候補名の一つ「[Eng] Dolphin/[漢語] 白海豚」です:



 動物学者以外の人間からすると、「[Eng] Dolphin/[漢語] 海豚/[日本語] イルカ」となりそうな気がするのですが、香港からは、何故か、“海豚” ではなく “白海豚” が登録されています。


 そこで、調べてみると、確かに体の色に関係が有りそうな名前のイルカの種名が日本名の中にも有りました。絶滅危惧品種という意味でもあるのか、『品薄色イルカ…』。


 ペット・ショップでもあるまいに、「品薄」なんて下世話な名前を付けられたイルカが可哀想だと思い、よくよく調べてみると、ちょっと違いました。
「シナウスイロイルカ」➡『支那薄色海豚』と、漢字も出ていました。


 また、「[漢語] 白海豚」ですが、調べてみると、正式な名称は “中華白海豚” のようで、
“中華(シナ)白(ウスイロ)海豚(イルカ)”と、漢語名と日本語名がピッタリ対応しています。
 一方、同じ種の英語の名称は、“Indo-Pacific humpback dolphin”となるようで、「インド太平洋背中にこぶがあるイルカ」と、目の付け所が全然違います。


 そう考えてみると、ピッタリ対応する漢語名と日本語名はどちらかが先に有って、もう一方はそれに訳語を当てたという感じでしょうか?


 もし、漢語名の “中華白海豚” が先に有ったのだったら、日本人もわざわざ変えることなく、「中国白イルカ」くらいで手を打ちそうに思います。


 恐らく、日本語名の『支那薄色海豚/シナウスイロイルカ』が先に有り、それを耳にした支那人が「『支那』は嫌だ。それに、わざわざ『薄色』もないもんだ。『白』で良かんべよ。」ということで、“中華白海豚” になったのではないでしょうか。


 まぁ、鯨漁も盛んであった漁業国・日本ですから、魚類、鯨類の分類もより細かかったでろうと思われるので、「日本名が先に有り、後に日本名をなぞる形で中国名が付けられた」と考えるのが妥当なところではないでしょうか。


 それでは、皆さん、御無事で・・・