松本克のブログ

国立高校の甲子園出場に関する記事でこのブログに巡り会ったので、その辺りのことが中心になるかな・・・

薄熙来の息子・薄瓜瓜の最新情報…

 金正恩が、腹違いの兄を殺したように、
 サウジアラビアの皇太子が、自国の邪魔なジャーナリストを殺したように、
 太子党の華やかなライバル薄熙来一家を、法律を使って葬り去ったのが、人治国家の国賓?習近平だ…



【大紀元2019年12月17日発】


 人々の視界から消えて久しい薄熙来の息子――薄瓜瓜は、今、カナダのパワー・グループ(株)(Power Corporation of Canada。略称PCC)で仕事をしている。ある情報では、PCCが薄瓜瓜を雇っているのは、中共の政治権力との繋がりを維持するためだと言う。


 ≪環球郵報≫(カナダの日刊紙 The Globe and Mail グローブ・アンド・メール)の報道によると、PCCは世界中で金融、スポーツウエア、建築、石油資産を取り扱っている会社で、年間売り上げが数百億カナダ・ドル(@85円/カナダ・ドルとして、4兆2500億円)の多国籍企業で、会社と薄瓜瓜との関係は、ニューヨークの法曹データベースにも記載されている。


 PCCの副総裁兼筆頭法律顧問・勒梅(レーメイ。Stephane Lemay)は、その件を声明に出して明らかにしている。薄瓜瓜、現在32歳、モントリオールを本社とするPCCの業務アナリストとしてすでに二年半勤務、当初実習プログラムを通じて入社したとのことである。


 この情報は、一部の「エリートによる中国政治」評論家の注意を引いた。薄熙来の家族が中国で今なお人脈を持っているとしても、カナダの会社が同家とコネを持つことには、潜在的なリスクが有ると想像できるからだ。


 香港中文大学の「エリートによる中国政治」専門家の林和立教授は、PCCが薄瓜瓜を雇っていることに「いささか驚いている」と言う。薄熙来はかつて習近平と指導権争いを演じたので、「PCCからすれば、習近平の大敵の子を雇っているということは大っぴらにしたくないことだと思うのだが。」と。


 薄瓜瓜がPCCで働いているということは、ここ数年の中共高層部指導者の変動、及び去年のカナダ・中国間の外交上の摩擦という背景から考えると、中共の政治権力の複雑さを如実に表していると言えるだろう。


 レーメイは、PCCは40数年前という最も早い時期から中国に進出した西側投資者の一であり、「薄熙来一族を含め」長年中共の政治権力と繋がりを築いてきたと言う。


 ≪環球郵報≫は、以前、薄瓜瓜に取材を申し込んだことがあるが、返事はもらえなかったそうだ。


中共権力闘争の約束事
 薄熙来はすでに獄中だが、薄一族は中共内に依然として影響力を持っている。薄熙来の姉の薄潔瑩(はくけつえい)が今年11月病死した時、中国マスコミ界に流布した写真によると、鄧小平及び劉少奇の後生が葬式に花輪を送っている。


 西安交通大学ーリバプール大学の学者である古徳曼(David Goodman)は、中国共産党の歴史と政治変革について研究している。彼が496名の中国の富豪について調査したところ、少なくともその内82%の祖父母は1949年以前の中共体制内で重要な人物となっていた人々であった。


 薄一族も例外ではない。薄瓜瓜の祖父である薄一波は1925年に中国共産党に入党、初代財政部長を任じ、後には中共八大元老の一となっている。


 シカゴ大学の政治学者・楊大利(Dali Yangの音訳)が言うには、実際、薄瓜瓜は父母の事件が起きてから一度親戚探訪で帰国し、その後またちゃんと出国しているので、「明らかに中共指導層の同意が有ったはずだ」と。


 オーストラリア技術大学の学者・馮崇義(Feng Chongyi)は言う:毛沢東が何度も発動した血腥い運動や追放劇を含め、過去一世紀の中国史はしばしば不安定な情勢を経験してきたが、それでも権力は相変わらず中共体制内の同じ連中の手中に在った。


 馮が続ける:薄瓜瓜は、他の古参党員の二代目、三代目との繋がりの故、依然として中国に強大な人脈を持っている可能性が有る。「この(中共の)国家の経済体制では、貴族党員の一人一人の影響力が馬鹿にならない」。


 党史学者で評論家の章立凡(Zhang Lifan)は、若い薄瓜瓜は「希少品」として大事にされているのではないかと言う。党員二代目の特徴の一つは、「父親や祖父同士の間で恨み辛みが有ったとしても、繋がりは維持する」という点である。


PCCは中国市場を長期に経営
 1997年、PCCの総裁であった徳斯瑪来(デスマライ。Andre Desmarais)は、北京で薄一波とひそかに会っている。徳斯瑪来はその時の面会を「特殊な優待」と言い、以来、薄家とPCC社は結ばれたわけだ。
 そして、先週、徳斯瑪来の家族からの発表が有り、彼らはPCCでの事務的な役職は放棄するが、董事会の指導権は保留する、とのこと。


 PCC社は、薄熙来と直接繋がるルートも持っていた。薄熙来と言えば、当時、中共党内で急速に台頭してきた勢力であり、最高権力をも窺おうかという勢いであった。
 デスマライの岳父でカナダの前首相・クリジン(Jean Chretien)などが、薄熙来のことを「古い友人」と呼んでいたように、当時のカナダ政府は、この種の「コネクション」が非常に重要であると認識していた。


 しかし、事実が証明しているように、中共のエリート階層――太子党の子女、を雇用することは、雇い主にとってリスクの有ることだ。
 近年、ドイツ銀行、JPモーガン、クレディ・スイス等が皆、中共高官の親族を雇用することで業務の獲得を図るのは腐敗(防止)法違反だとして、アメリカ当局に百万ドル単位の和解費用を支払っている。


薄瓜瓜その人
 薄熙来事件において、薄瓜瓜にはいささか寛大な措置が取られたように思える。
 両親が拘留された時、薄瓜瓜はハーバード大学のケネディ校の学生で、公共政策修士学位獲得まであと1ヶ月も掛からないという時期にあった。


 薄瓜瓜は、更に英国の貴族学校であるハーロー校(Harrow School)にも留学でき、その後オックスフォード大学に進んだ;結局、2012年ハーバードで修士獲得、2016年コロンビア大学ロースクールで法学博士獲得。


 ニューヨーク州の記録では、薄瓜瓜は、2016年ニューヨーク州弁護士試験合格後、2017年ニューヨーク州の弁護士として登録された。登録によると、所属する会社はPCC、トロントにある住所とモントリオールの電話番号を使う。


薄事件の核心の犯罪が未だ明らかになっていない
 薄瓜瓜の消息が出て来たことで、薄熙来事件がまた注目されることになった。


 2013年9月22日、薄熙来は、収賄、横領、職権濫用の罪で一審で無期懲役の判決、同年10月25日、二審で一審判決維持が決定。


 2012年8月20日、薄谷開来(薄熙来の妻、薄瓜瓜の母親)故意殺人罪で死刑判決、執行猶予付き。


 報道によると、薄熙来夫婦は、江沢民に恩賞を請うため積極的に法輪功を弾圧、大量の法輪功修行者を遼寧省大連に拘禁した。
 また、法輪功修行者からの臓器狩り、死体標本の販売を最も早く手掛けた。
 そして、英国人・海伍徳(ヘイウッド)氏はこれらの案件に巻き込まれ、薄谷開来に口封じのため殺されたのである。(了)