松本克のブログ

国立高校の甲子園出場に関する記事でこのブログに巡り会ったので、その辺りのことが中心になるかな・・・

『平和の祭典』冬季オリンピックを主催する中共が起こす「拉致事件」…

 北京冬季五輪も間も無く終了ですが、私とものの見方、考え方が近い人たちの間では、この五輪、大変評判が良くないですね。


 一言で言えば、“超限戦” という何でも有りの戦法で世界を支配しようとする中国共産党が運営している大会だからです。
 半年前の日本での夏季大会では聞かれなかった類の問題点がいくつか指摘されています。
 曰く、知らないところでルールが変わっていた、不明瞭な判定で開催国の選手の順位が上がっている、等です。


 日本は、過去に、違法な闇取引で食糧を得ることを潔しとせず餓死した裁判官がいたように、世界でも珍しい「極端にルールを遵守する国」です。
 また、同時に、聖徳太子以来「和を以て貴しとなす」お国柄で、泥棒が自分の物を盗りに来たら、「自分も手を出さないから、お前も手を出すな」式のわかったようなわからないような論理で、衝突を避けようとすることもあります。


 こういう日本がオリンピックを開く時、主催者として考えることは、参加者には競技を行なうのに最善の場を提供し、誰もが同じ条件で参加できるよう公平で厳格なルールの適用に努めることで、できることなら、気象のような自然の環境をさえ同じ条件にできないものかと心を砕くほどです。
 また、主催者であるとともに自分も参加者であるという二面性を考えた時、他国を上回る成績を上げたいという参加者としての立場と、できるだけ多くの国に最上の成績を上げてもらいたいという主催者としての立場とでは、少なくとも私個人の場合は、後者の立場を優先させる傾向が強いだろうと思います。
「迷った時には客人の有利に」という、自分の利益より他人の利益を優先させる判断基準は、所謂「おもてなし」にも通ずる考え方と言えるのではないかと思います。


 それに引き換え、中共の場合は、スキが有ったら、また、主催者の権限を振り回せる機会が有ったなら、なるべくそれらをも精一杯利用し、とにかく自国が他を勝る方向へ、自分の成績が最優先、それによって他国を圧倒、支配して世界の覇者になるのだ、という方向性を露骨に見せて憚らないように思います。


 そして、自分が「主催者」であり同時に「参加者」であっても、役割を分けて考えることをせず、「主催者の権限」を、「自分が参加者を兼ねる場合、それを参加者としての自分のために有利に使うことが出来る特権」と考えるかのようです。
「自分が主役」であり「自分が得する」から主催者の役を引き受けるのであって、「客人」は主役を引き立てるための飾りであるから、「主役をうまく引き立てたなら、それで役目は終わり。消えて無くなれ!」という発想でもありましょうか。


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 さて、『平和の祭典』冬季オリンピックを正に主催中という彼の国から、
「上海で50代邦人 拘束 昨年12月 スパイ容疑か」というニュースが飛び込んできました。
「他国を圧倒、支配」しようとするあの党、あの国が他国を配下に収めるための一法、人質の確保です。常に何人かの命を恫喝用に取って置く「超限戦」の仕掛けの一つです。


 そして、産経新聞では、同じ記事の中で、服役中だった他の70代の男性が、今月、搬送先の北京の病院で病死したことが明らかになった、と報じています。
「昨年12月」と「今月」の2件の出来事がどうして一つの記事で報道されるのか?


スパイ容疑か 上海で50代の日本人男性拘束 15年以降に中国で16人拘束 - 産経ニュース


 中国共産党にしてみれば、日本人の拘束など一件一件個別に扱うほどの問題ではないということだろうと思います。
 非常時食糧と同じように、人質も定期的に入れ替える必要があるから、事務は2、3件まとまった時に済ませればそれで十分で、毎度毎度日本の大使館、領事館に連絡する必要など無い、という扱いであろうと思われます。


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 さて、これを機会に、2014年の反スパイ法施行後に発生した中国共産党による日本人拉致事件を私なりにまとめると:


 拘束時期 拉致被害者(報道時年齢) 現在の状況 / 2行目は、拘束場所 その他情報
①2015年5月 神奈川県の男性(57)刑期満了で帰国済み
 日本人の母を持つ元脱北者。遼寧省丹東市。懲役5年(’20年7月まで)


②2015年5月 愛知県の男性(54)【服役中】
 浙江省温州市の軍事施設付近で拘束。懲役12年(’27年まで)


③2015年6月 札幌市の男性(享年76歳)’22年2月、搬送先の北京の病院で病死≒獄死
 元航空会社社員。北京市。懲役12年(’27年まで)


④2015年6月 東京都新宿区の日本語学校幹部の女性(57)刑期満了で帰国済み
 中国出身で日本へ帰化。上海市。懲役6年(’21年8月まで)


⑤2016年7月 日中青年交流協会・鈴木英司理事長【服役中】
 元社会党職員。北京市。懲役6年(’22年7月まで)


⑥2017年3月 千葉県の(株)日本地下探査社員の男性【服役中】
 山東省煙台市。懲役5年6カ月(’22年9月まで)


⑦2017年3月 千葉県の(株)日本地下探査社員の男性 起訴に至らず、解放帰国済み。
 山東省。
⑧2017年3月 千葉県の(株)日本地下探査社員の男性 起訴に至らず、解放帰国済み。
 山東省。


⑨2017年3月 大連の和源温泉開発社員の男性【服役中】
 海南省三亜市。懲役15年(’32年まで)


⑩2017年3月 千葉県の(株)日本地下探査社員の男性 起訴に至らず、解放帰国済み。
 海南省。
⑪2017年3月 千葉県の(株)日本地下探査社員の男性 起訴に至らず、解放帰国済み。
 海南省。


⑫2017年5月 四国の会社役員の男性【服役中】
 遼寧省大連市。懲役5年6カ月(’22年11月まで)


⑬2018年2月 伊藤忠商事(株)社員の男性(40代)刑期満了で帰国済み
 広東省広州市。懲役3年(’21年2月まで)


⑭2019年9月 北海道大学・岩谷将(のぶ)教授 保釈、解放帰国済み(11月15日)
 北京市内のホテルで拘束。安倍首相が、10月東京で即位礼に参列の王岐山国家副主席に、11月初タイ・バンコク郊外で李克強首相に、それぞれ直接談判した結果の譲歩か?


※習近平は、2019年6月に大阪のG20のため来日の折、翌春の『国賓来日』に合意したところであるのに、何の反省の色も無く⑭、⑮の拉致事件である。恥知らずな男である!


⑮2019年7月 50代の男性 ’21年2月初公判が有った模様。詳細不明。
 湖南省長沙市。


⑯2021年12月 50代の男性 上海市で拘束。詳細不明。


 以上、’22年2/20(日)現在、16名の状況をまとめると:
 拘束外 9名(死亡1(③)、刑期満了後帰国3(①④⑬)、不起訴で帰国5(⑦⑧⑩⑪⑭))
 拘束中 7名(服役中5(②⑤⑥⑨⑫)、公判中1(⑮)、起訴待ち?1(⑯))


 このほか、中国籍の北海道教育大学教授・袁克勤氏が、2019年5月に一時帰国した際に拘束された後、親族も弁護士も誰も面会できず健康状態すらわからぬまま拘束が続いている、という一件も有ります。
 中共は、袁氏を「日本のスパイ」とし、「事実を包み隠さず自供し、事実もはっきりしており、証拠も確かだ」「既に起訴された」と主張するのみで、起訴事実や罪とされた行為は明らかにしていません。
 袁教授が拘束されたまま2年後に定年退職となったことを無念に思う長男の成驥さん(29)は「父の無罪を発信し続けたい」と語っている、とのことである。
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