松本克のブログ

国立高校の甲子園出場に関する記事でこのブログに巡り会ったので、その辺りのことが中心になるかな・・・

「シークワァーサー」のようなクイズ…

 しばらく声に出して話題にしていないので、物自体もどんな物だったか自信が無くなってしまった「シークワァーサー」・・・
 レモンのような酸っぱさが特徴の、沖縄の、焼酎を割る飲み物だったですよね?


 しかし、それと同じような名前のクイズが有るとは思いませんでした。
 一度はどこかでやったことが有るクイズだと思いますが、その時はクイズの名前には無頓着だったので、「シークワァーサー」だったかどうかは覚えていませんが。


「読者の皆さまから好評を得ているクイズ面を、毎月第4日曜日は拡大してお届けします」とのことで、産経新聞は、昨8月22日(日)から、クイズ欄が倍の2ページになり、クイズの数と種類が増えた。
 頭の体操が好きな私にとっては嬉しい話なのだが、今となっては時間がたっぷり有るもので、クイズの名前まで気になるようになってしまった。


 何々? クイズの名前は「シーク・ワーズ」?
 また新しいカタカナ語かい? 英語圏で定着しているクイズ名なのか、少し英語がわかる日本人がこさえた和製英語なのか知らないが、“seek words” ということらしい…

「出題・ニコリ」となっているのは、あの「数独」のニコリ社かしら?


 あのニコリ社ならば、「数独」の名付け親である前社長の鍛治真起氏は「シーク・ワーズ」の命名について関与しているか、していないか?


「数独の発明者」と言われるよりも「数独の名付け親」と呼ばれることを喜んでいたと言われる鍛治氏だから、当然、クイズのネーミングにも一家言有ったはずであり、「シーク・ワーズ」なんて許すはずが無いと思うのだが・・・ 


 そもそも、「数独」という遊びは、鍛治氏が、アメリカのパズル雑誌に出ていた “number place” という数字パズルの面白さを発見、日本に持ち込むところから始まった。
 1から9までの「1桁の数字(single)のみを使う」を「独身(single)に限る」とひねり、「数字は独身に限る」と命名して自社の雑誌への掲載を始めたのだという。
 私のような日本語主義者が見ても、何ともダサ不思議な名前である。「ひねり」は、擬人法による意味の広がりを狙ったのか、それとも、新しいパズルなのでルールの説明の意図が強い事務的なことだったのか・・・


 その後、「ナンバー・プレイス」➡「ナンプレ」などという安直な名前も出現したが、日本第一の導入者の命名が「数字は独身に限る」という日本語であったことが素晴らしかったと、私は思っている。
 やがて、読者が増え、作り手も増え、作品の質が高まり、いよいよ単行本を刊行、という段になり、長い名前を縮めて「数独」にしたのだという。
 外国の大手紙にも掲載されるようになった今日、 “SUDOKU” の愛好者は何と100ヶ国以上に広がっているとのことである。


 さて、以上は8月22日の産経新聞クイズ欄から思い付いた事々であるが、実は、ニコリ社の鍛治氏、最近、訃報が駆け巡ったばかりだ。8月10日、69歳で癌で亡くなった。
 今回の出題者がそのニコリ社であるなら、「数字は独身に限る」と命名した先代の発想を忘れずにいて欲しいものだと思っている。


一、「シーク・ワーズ」というカタカナ語に反対します。
 英語を勉強する前の子供たちにそんな意味不明のカタカナ語を押し付けるなんて、非常識極まりないことだと思います。


二、私には、今まだ不朽と自負できるだけの代替命名案を持ち合わせてはいません。


三、このブログをまとめるためにだけ、「字滅の広場」というパロディをひねり出しました…


参考:シークヮーサー
ミカン科の常緑低木、柑橘類。日本語の沖縄方言で「シー」は「酢」、「クヮースン」は「食わせる」の意味で、「シークヮーサー」という名称は「酸食わし」「酢食わし」という意味になる。(『ウィキペディア(Wikipedia)』より)