松本克のブログ

国立高校の甲子園出場に関する記事でこのブログに巡り会ったので、その辺りのことが中心になるかな・・・

中共戦狼トップ・楊潔篪、アラスカで自爆・・・

 米中外交トップ会談がアラスカで2日間行われた。


 当初は、外交トップと防衛トップが双方から出て来る2+2の形式が予想されたが、中共国としては、初のバイデン政権とのハイレベル会談ということで、「初め良ければ終わり良し」先制パンチを一発ガツンと食らわせようとでも思ったのか、屁理屈をこねくり回すことだけは世界一流の、外交トップのみの会談を選んだ模様だ。


 外交部「戦狼」集団を率いる楊潔篪(yang2 jie2 chi2。ようけつち)と王毅の2人組による中共代表団は、トランプ政権時代から引き続いている屈辱的な対米外交を攻勢に転ずべく、冒頭から強硬な姿勢を見せ、たとえ全米を敵に回すことになっても中共国内向けに「強い中共」のイメージを発信するというパフォーマンス作戦に出たらしい。


 双方約2分間の冒頭挨拶までが報道陣に公開されるという設定の下、先ず米側が人権問題、国際秩序等について型通りに口火を切った。
 続いた中共側、楊は、いきなり約束違反の「15分間以上」(産経新聞)にわたり滔々と自国の主張を述べたらしい。
 なるほどそういう作戦か。自分に有利ならルールを守るが、そうじゃなければ、やっぱりルールなんて『紙屑』なんだ…


 後攻の利点を最大限利用したかのように、報道陣の前で数倍の時間のパーフォーマンスを演じてみせた中共側、さぞかしシメシメと思ったことであろうが、「世界の指導者」の地位がかかっているから、アメリカもただでは済まさない。
 当然のように報道陣が退室しようとしたところ、米ブリンケン国務長官は報道陣を制止し、呼び戻したカメラの前で米側の発言を追加、中共国のルール無視の言いたい放題を許さなかったという。


 こういう話を聞くと、誰もが思い出すのは、先日の日本国・茂木外相と王毅の会談後の記者会見である。
 双方一回のみ話して終わり、というルールで行われたという記者会見。後攻の王毅は、良くも悪しくも日本事情に詳しいから、あるいは「日本人のルールを守る行儀良さ」を最初から悪用してやろうと狙っていたのかもしれない。
 覇権国家・中共による日本の領土領海への侵犯を正当化、広言し、あろうことか、日本の漁民を逆に侵犯者に仕立て上げようとしたのである。
「一回のみルールを守り」中共の言いたい放題を許してしまった茂木外相は、その後一部で「売国奴」扱いされている。
 日本人の良さは、日本人社会でのみ発揮されるべきであり、国際社会ではそれにふさわしい「悪さ」「狡さ」も身に付けないと、いつまでも中共や朝鮮に付け込まれる可能性が有るという教訓であろう。


 さて、アラスカの米中会談、中共国内向けを狙った楊と王のパーフォーマンスは、狙い通りの反響を呼び、ちょうど120年前の義和団の乱の北京議定書の屈辱的歴史とも結び付けられ、大いにもてはやされているそうだ。


 楊のセリフだという “中国人不吃这一套”(中国人はそれを受け付けない)が、早速ネットを駆け巡っているという:


出典:石平 3月20日号【30分】

石平の中国週間ニュース解説・3月20日特集号